就職活動の選考過程で、グループディスカッションは重要視されており、応募者のコミュニケーション能力やチームワーク、柔軟な思考力を評価します。何に気をつければいいのかを理解することで、自信をもって臨めるでしょう。この記事では、グループディスカッションの流れや成功のためのコツをくわしく解説しているので参考にしてください。
グループディスカッションの種類
グループディスカッションは、企業が求めるコミュニケーションスキルをもっているかを見極めるための重要な選考です。グループディスカッションにはいくつかの形式があり、それぞれに特有の対策が必要です。
自由討論型
具体的な答えや選択肢が用意されていないテーマに対して議論する形式です。自分自身の意見を持ちやすい一方で、議論が脱線しやすいため、テーマから逸れずに議論を進める力や、ほかの意見を取りまとめる能力が求められます。
課題解決型
与えられたテーマの解決策を見つける形式です。与えられた資料を参考にしながら現状を分析し、解決策を導き出す議論が必要です。テーマは、企業の売上や認知度などの実務的な問題が多く、短時間で結論を出す必要があるため、タイムマネジメントが重要です。
ディベート型
対立するふたつの意見のどちらかを決定するために議論する形式です。意見が白熱しやすく、結論まで時間がかかります。意見が対立するのが前提なので、攻撃的な態度を避け、相手の意見を尊重しながら議論を進めることが重要です。事前に相手の主張を想定し、反論を用意することも考えながら意見をまとめましょう。
グループディスカッションの流れ
ここでは、グループディスカッションの進行の流れをくわしく説明します。
説明
テーマや制限時間、さらにはチームの編成について、具体的な指示が出されます。この段階で重要なのは、与えられた情報をしっかりとメモすることです。説明を聞く際の姿勢や集中力も評価の一環として見られるため、すでに選考が始まっていることを意識しながら臨みましょう。
自己紹介
アイスブレイクの一環であり、メンバーの名前を覚えるステップです。たとえ名札がなくても、スムーズなディスカッションを進めるために名前を把握しておきましょう。ほかのメンバーの名前をメモすることも効果的です。
役割分担
役割の決定は立候補制が一般的であり、積極性が求められます。企業によっては役割を決めずに進行するよう指示されることもあるため、しっかりと説明を確認しましょう。
スケジュール立案
制限時間があるため、どの時点で何を終わらせるかを明確にします。スケジュールにしたがって議論を進めることが、ディスカッションの成功に役立ちます。よって、タイムキーパーの時間管理が重要です。
認識の共有
テーマの理解は参加者によって異なることが多く、誤解を防ぐためにも、認識の共有は重要です。どのようにテーマを捉えるかを、チーム全員で明確にします。
議論
意見を出し合います。時間が限られているため、発言は端的に、わかりやすく伝わるように心掛けましょう。自発的な発言が評価につながるため、積極的に発言するのが大事です。
結論
出し合った意見をもとにグループとしての結論を導き出します。意見をうまくまとめ、全員が納得できる結論を形成することが重要です。同意する意見をひとりずつにたずねたり、類似した意見をまとめたりすると、結論を導き出しやすくなるでしょう。
発表中は、聞く姿勢も重要視されており、発表者の方をしっかりと見て、姿勢を正すことが求められます。
グループディスカッションのコツ
グループディスカッションで成功するためには、いくつかのポイントを意識することが必要です。
発言量
自分の意見をしっかりと述べることは大切ですが、発言が多すぎるとほかのメンバーの発表が少なくなるため、多すぎても少なすぎても評価されません。適量にとどめることが重要です。
態度
意見を否定されたり、自分の考えが少数派であったりしても、萎縮せずに意見する姿勢は重要です。しかし、感情的になってしまうと、ほかのメンバーや担当者からの印象が悪化します。感情を抑え、冷静に状況を分析することが求められます。
ディスカッションでは、自分の主張を過信せず、ほかの意見にも耳を傾けるバランス感覚が大事です。担当者は、議論中のメンバーの態度を注意深く観察しています。グループ全体の意見を尊重し、円滑に進行できるような態度を心がけましょう。
わからないことは助けを求める
テーマがむずかしい場合や、自分の知識が不十分な場合には、ほかのメンバーに助けを求めましょう。知識のあるメンバーに質問することで、ほかのメンバーの意見を引き出せます。
担当者は、知らないことを素直に認める姿勢や、他者の意見を求める意欲も観察しています。求められているのは、自分だけで問題解決を図ることではなく、チームで成果を出すことです。自分の知識不足を隠すことなく、積極的に学ぼうとする姿勢を見せることが大切です。
まとめ
グループディスカッションは、就職活動においてコミュニケーション能力を示す絶好の機会です。成功するためには、話す・聞くのバランスが大事です。積極的な発言は重要ですが、冷静に他者の意見を尊重する姿勢も重要です。自分の意見だけが正しいと主張し、感情的になることは避けましょう。さらに、テーマがむずかしい場合にはほかのメンバーに助けを求めることも意識してみてください。これらのポイントを把握しておくことで、自信をもってディスカッションに臨めるでしょう。