自己分析は、就職活動の最初期に実施する重要な作業です。自分の強みや価値観をしっかり理解し、どんな職業に向いているかを明確にすることが、就職活動の成功につながります。しかし、誤ったアプローチをしてしまうと効果が半減してしまいます。この記事では、自己分析のやり方や注意点についてくわしく解説しているので参考にしてください。
自己分析のやり方
自己分析は、自分自身を深く理解するための重要なプロセスです。自分の価値観や強みを把握でき、将来の軸が定まることで、面接で自信をもってアピールできます。ここでは、どのように自己分析を進めていけばよいのか解説します。
テーマ選択
まずは掘り下げたいテーマをひとつ選びます。がんばったことや成功体験など、自分の感情が動いたテーマを設定するのがいいでしょう。
経験の振り返り
テーマを決めたら、関連する過去の経験を振り返りましょう。がんばったことであれば、どのような場面で努力を重ねたのか、その結果どう感じたのかを振り返り記録します。
深掘りする
なぜその行動を取ったのか、という問いを繰り返し記録します。自己分析で重要なのは、単に経験を振り返るだけではなく、その背後にある動機や考え方を探ることです。そのため、なぜその行動を取ったのか、なぜそう感じたのかといった問いを繰り返し、経験を深く掘り下げていきましょう。
整理して共通点や変化を見つける
過去の経験を整理したら、共通点や変化した点を見つけていきましょう。もし、現在まで一貫している行動パターンがあるなら、それが自分の軸となり、アピールできる部分です。また、異なる時期における自分の行動や考え方を比較することで、成長や変化の過程も見えてきます。
自己分析をするために必要なこと
自己分析を効果的に行うためには、ただ過去を振り返るだけではなく、いくつかのポイントを意識することが大切です。
弱みから逃げない
自己分析を深めるためには、自分の短所や弱みにも、しっかり向き合う必要があります。企業の面接では、挫折経験や苦手なことを問われることもめずらしくありません。
このため、自己分析でも自分のネガティブな側面を洗い出し、なぜそう考えるのか、それを克服するためにどのように努力しているのかを考えることも重要です。これにより、自分の成長過程や学びを深く理解でき、企業に対しても根拠あるアピールができます。
客観意見も考える
自己分析する際は、主観と客観の視点を分けて考えることが大切です。自己分析では、自分自身の経験や感情のみ考えがちですが、企業は就活生の実績も知りたいと考えています。
したがって、自分の行動や発言が周囲にどのような影響を与えたのかも分析することが必要です。これにより、自己アピールの内容がより現実的かつ説得力のあるものになるでしょう。
漠然とした表現を避ける
自己分析の結果を表現する際には、ありきたりな言葉を避けることが重要です。たとえば、がんばった、という言葉だけでは、その努力の具体性や効果が伝わりにくくなります。どんな状況で、どのように行動したのか、その結果どうなったのかをくわしく説明することで、はじめて相手にアピール可能です。
また、自己分析では考え方だけではなく、それを裏付ける経験も重要です。感情や価値観を表現することは大切ですが、その考え方はどのような経験から生まれたのかをセットで伝えることで、説得力が増します。
繰り返す
自己分析は、一度で終わらせるのではなく、時間をかけて繰り返し実施することが大切です。就活は長期間にわたることが一般的であり、その中で新たな気づきや発見があることも多いため、その都度ブラッシュアップしていくことが大事です。
自己分析を作る際の注意点
自己分析の際には、いくつかの注意点があります。これらを意識して取り組むことで、効果的かつ正確な自己分析が可能です。
思い込みを排除する
最初から、自分の強みはこれだと決めつけることは避けましょう。自分のことをある程度理解していると思っていても、実際に自己分析を進めていくと、根本的な性格や価値観が想像と異なる場合があります。思い込みに頼ると、固定観念に引きずられ、自分の強みを見つけにくくなるでしょう。
企業に自分を合わせない
特定の企業に入りたい気持ちが強いと、ついその企業の求める人物像に合わせて自己分析してしまいます。しかし、これも自己分析の段階では避けるべきです。
企業が求める人物像に合わせすぎると、結果的に自己分析の内容が偏り、自分の本来の強みが見えなくなってしまいます。
企業の求める人物像を意識すること自体は、悪いことではありません。しかし、それは自己分析を終えた後に考慮するべきです。まずはフラットな気持ちで自分を分析し、そのうえで企業にアピールすべき強みや価値観をピックアップすることが大切です。
順番を間違うと、面接で一貫性のない受け答えになり、入社後に自分の価値観と企業文化の不一致に悩んでしまう可能性があります。
時間をかけすぎない
自己分析は重要なステップですが、時間をかけすぎると就活の成功がむずかしくなります。就活には、自己分析以外にも、業界研究や企業研究、履歴書の準備、面接対策、筆記試験の勉強など、やるべきことは数多く存在するため、バランスよく対策を進めることが大切です。
相談する
第三者に相談してみることもおすすめです。自己分析をひとりで進めると、どうしてもかたよってしまう可能性があります。そんなときは、キャリアコンサルタントや学校のキャリアセンターの職員など、第三者に相談してみるのもいいでしょう。客観的な意見をもらうことで、新たな視点や気づきが得られ、より正確に自己分析できます。
まとめ
自己分析は、就活で欠かせない工程であり、自分の強みや価値観を知り、どの企業や職種が合っているのかを見極める重要な手がかりです。しかし、思い込みや企業の求める人物像に寄せた分析は、本当の自分の強みを見失う原因になるため、注意が必要です。また、ときにはキャリアコンサルタントや周囲のアドバイスなどの、客観的な視点を取り入れることで、より正確な自己分析ができるでしょう。